抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,Shamirの(k,n)しきい値秘密分散法を用いて,秘密情報に0を含まないという条件の下で2k-1>nの場合でも秘匿四則演算が可能な手法を提案する。一般に,Shamir法を用いた乗算はk-1次の多項式からなる分散値どうしの乗算となるため,乗算結果の多項式の次数が2k-2となってしまう問題点があり,分散数nは2k-1以上にしなければならないという制限があった。提案手法では秘密情報を分散する際,乱数を掛けて秘匿化した秘匿化秘密情報をShamir法によって分散し,乗算を行う際に,一方の秘匿化秘密情報の分散値を集めて,一時的に分散した秘匿化秘密情報を復元する。秘匿化秘密情報はスカラー量であるので,多項式で表現されるもう一方の分散値と乗算しても多項式の次数が増えないためこの問題点を解決できる。さらに,本論文では提案方式の安全性を検討し,多入力の秘匿加減算および秘匿乗除算に対しても情報理論的安全性を持つことを示す。これによって,秘匿乗算を含む場合でもサーバ台数などの運用を変える必要のないシステムが構築できる。ただし,提案方式の安全性は同じタイプの演算の組合せに制限され,異なるタイプの演算の安全な組合せ(たとえば,秘匿積和演算)に関しては今後の課題になる。(著者抄録)