抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本産ウキゴケ属Ricciaについては,長い間7種が認められてきた。近年,2000年にウロコハタケゴケR.lamellosaが報告されて以来(古木2000),新たに9種が確認されており,これまでに16種が報告されている。また,富永・古木(2013)は,ミドリハタケゴケR.sorocarpaに類似するが,異なる種が全国において刈り取り後の水田に普通に生育していることを報告し,未記載種である可能性を示唆していた。今回,この種を新種カリタハタケゴケ(新称)Riccia oryzicola Tak.Tominaga & Furuki(ゼニゴケ植物門,ウキゴケ科,ウキゴケ亜科)として記載した。本種は,葉状体の表皮細胞基底部が肥厚する点でミドリハタケゴケRiccia sorocarpa Bisch.に似ているが,葉状体の形態と胞子表面模様で区別できる。学名は稲の水田を好むことに因み,和名は刈り取り後の田を意味する。本種の特徴は,葉状体背面の溝が深いが基部になるに従い浅くなることや葉状体に気室がないこと,葉状体背面の皮下細胞がやや厚壁になること,葉状体縁の細胞が薄壁であること,腹鱗片が葉状体の縁からはみ出さないこと,一年生であること,成熟したさくが葉状体背面に現れないこと,胞子の翼がほぼ平滑であること,そして胞子の求心面に棘や粒点がないことなどである。(著者抄録)