抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究の目的は,コンクリート内の鉄筋腐食をモニタリングする電気化学的技術を確立することである。中性化させたコンクリート供試体と中性化させていないコンクリート供試体に一対のプローブ電極を設置して,インピーダンススペクトルの測定を行った。中性化させていないコンクリート内の電極のR
ct(電極/コンクリート界面の電荷移動抵抗)は1400kΩ程度と大きく,不働態皮膜の形成が示唆された。一方,中性化させたコンクリート内の電極のR
ctは80kΩ程度と小さく,中性化させていないコンクリート内の電極のR
ctに比べて約1/20程度であった。電気化学試験後の電極表面において腐食箇所が観察され,インピーダンス測定結果と一致した。これらの結果から本プローブ電極によって,中性化の判定ができることがわかった。また,建設から35年経過した高速道路の鉄筋コンクリート構造物に一対のプローブ電極を設置し,インピーダンススペクトルの測定を行った。プローブ電極のR
ctのオーダーは,中性化させていないコンクリート供試体に設置した電極のR
ctと一致した。電極近くのコンクリートからコアを採取し,フェノールフタレイン溶液による中性化試験を行った結果,鉄筋と同じ深さのコンクリートは中性化していないことがわかった。インピーダンススペクトルの測定結果とフェノールフタレインの試験結果は一致しており,本プローブ電極によって,コンクリート内鉄筋の腐食環境を評価できることがわかった。(著者抄録)