抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ナラ枯れ被害で枯死した原木を枯死年別に選別し,市販の健全原木とともに板材として製材した。板材から極端に大きな節のみを除いて枯死の原因である虫穴や腐れなどを含め,原木からの板枚数に応じて一定比率となるように試験片を作成し,曲げ強度試験を実施した。同様に板材から2種類幅のフローリング用幅決め材を作成し,横裁断のみで虫穴や腐朽,変色による材面の欠点の除去を想定して良材率を測定した。その結果当年枯死材は強度低下,良材率とも僅かであったのに対し,前年枯死材は虫穴以外にも黒色変色による良材率低下と白色腐朽菌による強度低下が大きかった。商品価値を見出すためには当年枯死材の確保が重要であると考えられた。材面の欠点を含めたフローリング材を試作し,枯死年,健全別に展示しながらアンケート調査を実施した。JASフローリング製品規格は,2mmを超える虫穴で1等材から除外されている。しかし回答者の約半数は虫穴があっても扱う可能性があると回答した。JAS規格の指定がなければ用途に応じて虫穴材そのものの利用可能性が示唆された。ただし利用者側からみた製品価格については健全材の4~5割を想定している。今後良材率の試算を踏まえて,乱尺フローリングや複数の幅寸フローリングなど被害に応じた商品化が必要とされる。当面ナラ枯れ被害の発生時は,良材率向上や強度低下防止のため,枯死当年の内に伐採し,良材部分のみを生かした短尺のフローリング用途を想定した製品化が求められる。(著者抄録)