抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
1.緒言 たわみによる鉄筋コンクリート部材の挙動をシミュレートするために,曲げ理論に基づく解析手法が一般的に用いられている。この手法においては,Ramberg Osgoodヒステリシスモデルが,軸方向筋の応力-ひずみ関係に対して一般的に使用されている。コンクリートモデルに関しては,横補強筋によるコンクリート拘束が最も重要な側面であり,多くの拘束モデルが提案されている。一方,材料モデルに関する他の側面では,最近,薄い部材のコンクリート拘束や軸方向補強材の座屈などが注目されている。本研究では,鉄筋コンクリート柱のモーメント-曲率関係に関する解析的研究を行った。ファイバーモデルを用いて,軸方向筋の座屈と剛強な基礎からのコンクリート拘束を考慮した。2.解析対象 解析対象は,以前に試験され報告された比較的大量の軸方向筋にも拘わらずたわみ破壊された4つの鉄筋コンクリート柱である。柱試験体は,一定または変動軸力と非対称モーメント反転を受ける。シアスパン長と比率は,600mmと2.73であった。柱の変形能力を,軸方向筋の座屈に従って設計した。3.座屈モデル RC部材における軸方向筋の座屈長さは,一般的に,横方向筋間隔の数倍に及ぶ。座屈モードは,帯筋間隔によって分割された座屈長さで表現する。座屈モードを考慮したRC柱の軸方向筋に対する座屈モデルは,加藤ら(1995)によって既に提案されている。本研究では,そのモデルを用いた。JenningによるRamberg Osgood履歴モデル(1963)を,軸方向筋の応力-ひずみ関係に対して,いくつか修正後に用いた。逆Ramberg Osgood関数を座屈後の領域に適用した。4.コンクリートモデル 著者らは,柱の実際の曲げ挙動を,帯筋補強(加藤(1992))のみで拘束されたコンクリートモデルを用いては,十分な精度でシミュレートできないことを報告した。これは,コンクリートの圧縮破壊領域が,モーメントとせん断力を受ける部材の危険断面近くに局所的に限定されており,剛強な基礎からのコンクリートの拘束は無視できないからである。加藤ら(1998)による以前の研究で,帯筋補強により拘束されたコンクリートの応力-ひずみ関係モデルについて提案している。このモデルを用いて,横補強筋と剛強な基礎により拘束されたコンクリートの応力-ひずみ関係を表現した。5.結論 シミュレーションしたモーメント-曲率関係と載荷中に散逸した履歴エネルギーを観察し比較した。主な結論は,ファイバーモデルを用いてシミュレートしたモーメント-曲率挙動の結果が,試験結果と一致し,提案した座屈と拘束モデルの有効性を示している。(翻訳著者抄録)