抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
・表層崩壊は,日本における堆積物関連災害の主要原因の1つである。土砂災害によって引き起こされる被害を軽減するために,表層崩壊を予測することは有効な対策であるかもしれない。物理的,経験的および統計的アプローチによって,表層崩壊を予測するために多くの研究が行われてきた。また,著者らは,すべり面の形状を正確に規定できる臨界すべり面解析法により,雨水浸透と斜面安定の計算を組み合わせた数値シミュレーションを用いて,表層崩壊の発生を予測することを試みた。しかし,臨界すべり面法は,これまで単一斜面域にのみ適用できた。本研究では,臨界滑り面法の適用可能な範囲を単一斜面から流域全体に拡張するため,流域面積を矩形格子ではなく個々のストリームとエレメントに分割するストリームチューブ法を用いた。2013年に表層崩壊と土石流が起こった伊豆大島の大金沢流域をストリームチューブによって分割し,臨界すべり面法をすべての個々のストリームチューブに適用し,表層崩壊の形状,位置,タイミングを再現した。その結果,本方法が,地滑り発生のタイミングはよくシミュレートできないものの,無限長斜面を仮定する従来の解析と比較して,表層崩壊の位置を正確にシミュレートすることが実証された。より信頼できる雨水浸透解析法を採用することにより,本方法は改善できる可能性がある。堆積物関連災害の軽減のための実用的な対策として本方法を使用するためには,様々な地質学的および地形学的特性を有する流域への本方法の適用性を評価するための更なる研究が必要である。(翻訳著者抄録)