抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高位合成ツールはプログラム内に記述されたループを効率的にパイプライン化するために最先端のスケジューリングアルゴリズムを使用している.しかしながら,ループ間のデータ依存関係により,高位合成により生成された回路の実行時間が低下する場合がある.実行時間を低下させるループ間依存において,特に我々はメモリアクセスによる性能低下に着目する.本研究ではメモリアクセスによる性能低下を改善するために,ラインバッファを自動挿入する手法について検討する.本研究の目標は様々なアプリケーションに対して自動的にメモリアクセスを最適化する手法であるが,本稿ではステンシル計算に対してラインバッファを自動挿入する手法を適用する.提案手法の有効性を確認するために,PolyBench4.2に含まれる2次元ヤコビ法と3次元熱方程式に対して実行時間を測定したところ,提案手法を適用した回路は適用前の回路と比較してそれぞれ2.24倍,1.30倍の性能向上を達成した.(著者抄録)