抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,持続可能な食品システムを構築するため,多様な社会的位置における当事者の関与を促進するワークブックの将来の出版を展望して,「食に関わることの市民性」の内容と事例研究について議論する。本研究の目的は以下の2点を明らかにすることである。(1)「食にかかわることの市民性」と他の類似概念との比較による組織・分析,および(2)既存のワークブックにおいて「食に関わることの市民性」の考え方,が表現されているかどうかについて。類似の概念の比較から,「食に関わることの市民性」の内容の特徴は以下の通りに同定され,すなわち1-1)様々な当事者のエンパワメントを志向し,それぞれの立場からの食品の公共的着目を奨励する。1-2)制度構築や資源配分などの政治的プロセスに関わる人々の必要性を強調する。1-3)地域社会の問題にとどまらずグローバルなフードシステムの各領域における市民との連帯と相互学習を目指すコスモポリタン的性格を持っている。これらの特性は,以下のように既存のワークブックで見出され,2-1)市民と市民性という枠組みは,良いフードシステムを実現するための活動への参加を呼び掛ける局面ではなく,各地域における活動を示唆する局面で使用されている。2-2)地域的な食品問題を地域の経済問題としてだけでなく,食品安全保障や公衆衛生問題などの問題として見ると,行政との連携に進む傾向がある。2-3)コスモポリタン的性格はほとんどのワークブックから見つけることができない。しかし,研究者の役割として,協力と相互学習(活動の成功ストーリー,方法の系統的配置,情報の更新)における知識の管理が期待されている。以上に基づき,「食に関することの市民性」に理論的に則ってワークブックと事例研究をまとめ,テーマに関心を持つ研究者や研究グループ,地域グループの市民,行政職員によってレビューを受けるものとする。(翻訳著者抄録)