抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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次世代農業あるいはスマート農業と呼ばれる新しい農業産業は,IoT(Internet of Things)やICT(Information and Communication Technology)などの技術を積極的に活用することによって,産学連携による研究開発や,ベンチャー企業,各種自治体,農林水産省などの国をあげた取り組みで精力的に進められている.このような背景の課題には,農業就業率が減少し,2030年には現在の半数になると予想されている.また近年では異常気象などで作物の収穫に大きな影響を受けるなど,その対策として最新技術を農業に活用しようとする社会的な動向がみられる.そこで我々は,農業就業者の負担軽減や,気候に影響される課題の解決を目的とし,新たな栽培システムの研究開発を進め,より効率的な農業手法の研究開発に取り組んでいる.本稿では,その一例として,トマトと椎茸の栽培をターゲットにし,これまでの経緯や研究成果を紹介する.トマト栽培に関する研究は,果菜類における人工照明の水耕栽培手法について研究を進めている.人工照明による葉菜類栽培は,栽培環境の影響が少なく安定した収穫が可能であるため市場でも一般的に用いられはじめている.しかし,果菜類は高い光量が必要とされ,LEDなどの照明では,育成に十分な光量が得られないなどの課題を持ち,その解決方法について研究を進めている.椎茸栽培の研究では,雷撃の刺激により従来の2倍の収穫を実現している.さらに,新たな取り組みとして,雷撃に代わる衝撃波(音波)による栽培促進法を考案し,現在,実験による評価を進めている段階である.これらの研究成果の進捗を含め,今後のスマート農業の動向と通信技術の融合について展望を述べる.(著者抄録)