抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,公共建築物,特に学校施設における木造構造の可能性をより良く理解するために,CLTサイディング使用とその熱環境への影響について述べた。本研究の結果と知見は以下の通りである:1.建物の寒冷および暑い季節の間の熱環境の測定:熱的強化のために外部の南側に向いた壁にCLTを利用した建物を測定に使用し,内部熱環境を理解するためにCLTのあるもう一つの建物を測定および比較用として用いた。冬季の基礎実験において,外部壁に用いたCLTを持つ建物は,外部の温度の急激な変化とは反対に,室温が徐々に変化することが分かった。夏期の間,室温は最初に高く記録されたが,空調の使用により,室温は快適なレベルに落ちることができた。空調システムがオフになった後,室温は徐々に変化した。他の建物に関しては,室の自然温度とグローブ温度は基本的に同じであり,外部温度と比較して,日の経過にわたる温度の変化はほとんど認められなかった。さらに,日を通しての部屋の湿度は,いずれもほとんど変動しなかった。これらの調査結果をグラフ化すると,外部CLTを使用した建物の結果と非常に類似していることが分かった。また,実験からの実際の測定値と結果は,LESCOM-mint計算機シミュレーションプログラムの使用から得られたシミュレーションと計算によって決定されたものと類似していることがわかった。2.7つの異なる気候地域におけるRCとCLT建物の比較:シミュレーションのために,中規模から大規模の木造構造物,特に公立学校建築を考慮した。公立学校の大多数はRC建物であるので,RC建物モデルを使用し,それをCLTモデルと比較し,日本の7つの異なる気候地域に対する冷暖房負荷を考慮した。RCおよびCLTモデルの両方に対する冷却負荷は,7つの地域全体にわたって類似していることを見出した;しかし,2種類の建物に対する暖房負荷を考慮すると,CLTモデルはRCモデルよりもより暖房負荷が小さいことが分かった。この比較から,CLT建物モデルは寒冷期の暖房と温暖環境の維持に優れていると判断した。3.7つの異なる気候地域におけるCLT厚さの差分化:7つの異なる地域における典型的な教室に対する冷暖房負荷の違いを計算した。那覇以外の各地域では,CLT厚さの違いによる冷房負荷の変化は小さい。一方,加熱負荷はCLT10mmに対してCLT60mmで16~20%減少し,CLT90mmに対してCLT60mmで4~6%減少した。CLT90mmの後に厚さを30mm増加しても,減少率は小さい。これらの結果をRCシミュレーションと比較すると,CLTが60mm以上の場合,加熱/冷却負荷はわずかであり,CLTの厚さが増加しても負荷の有意な変化は認められなかったことがさらに注目された。CLTは,吸収熱においてRCより非常に効率的であることが分かり,従って,作業または研究のための快適な室内環境を維持しながら,暖房負荷を低減することを助けた。(翻訳著者抄録)