抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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公共交通サービスなど社会資本の整備計画に対し表明される意見は「公共的判断」に基づいたものであることが要請されるが,そのためには対象となる地域住民の生活状況に関する十分かつ正確な情報が提示されている必要がある.そのための情報提供手法として「全地域住民の情報を何人か毎に分割し,意見表明者に分配する」手法(分権的調査手法)が提案されているが,その手法の有用性について実証的には確かめられていなかった.そこで本研究では,分権的調査手法を用いて地域住民の移動環境に関する情報と計画代替案を提示し計画に対するWTPを問うアンケート調査を実施し,その回答をもとに実証分析を行った.その結果,理想的な状況において得られるWTPを3~7%の誤差精度をもって推定することができることが明らかとなり,その誤差を許容する範囲においてこの手法が有用であることが明らかとなった.また同時に先行研究における課題の解決が図られ,以て分権的調査手法の一定の完成を見ることができた.(著者抄録)