抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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空港CDM(Collaborative Decision Making)とは,空港運用に係るステークホルダー間の協調的意思決定を実現するためのシステムである。近年,増加傾向にある航空交通量に対応するため,各空港での総合的な空港運用能力の改善を目的として,ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)が空港CDMの積極的な導入を促しており,欧州を中心として,米国,中国,東南アジアの各空港で導入が進められている。日本でも,“将来の航空交通システムに関する長期ビジョン(以下“CARATS”という。)”の活動計画の中で,主要空港を中心として導入することが計画されている。三菱電機では,日本初の空港CDMとして,新千歳空港CDMの開発及び納入を行った。新千歳空港CDMは,飛行場面の状態や除雪作業の状況を共有する機能や,航空機の運航状況を表示する機能を備えており,2018年12月の評価運用開始から,大雪等の悪天候時の対応に活用されている。今後の導入が計画されている東京国際空港(以下“羽田空港”という。)及び成田国際空港(以下“成田空港”という。)の空港CDMは現在開発中である。継続的な増加が見込まれる首都圏空域の航空交通流への対応として,滑走路の効率的運用やトーイング情報の管理等による空港運用能力の向上を目的とする。今後,空港CDMは,蓄積データの解析を通して運用改善の仕組みづくりに寄与し,将来に向けた航空交通インフラの拡充での重要な役割を担うことが期待される。(著者抄録)