抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本の亜寒帯の島である北海道において,春播き,直接播種タマネギの成長と収量に及ぼす不織布浮遊うね被覆の影響を調べた。2014年,2015年,2017年に圃場試験を行った。種子は毎年4月下旬に播種した。浮遊うね被覆は播種の数日後に設置され,5月末まで置かれた。処理期間中,平均日最大および最小土壌温度は,非被覆処理と比較して被覆下で,それぞれ約4~5°Cおよび1~3°C高かった。土壌水分に及ぼす列被覆の影響は毎年変化した。発芽は明らかに浮遊うね被覆により加速され,これは非被覆処理のそれより1~4日早い出現日により証明された。初期段階の成長は,浮遊うね被覆によって促進された。しかし,被覆と非被覆処理間の植物成長の差は徐々に減少し,鱗茎形成の開始においてほとんど有意差は観察されなかった。成長の早さに及ぼす影響は年の間で異なり,初期の倒伏時間は2015年に観察され,ここで約40日の被覆期間中の日照時間は350時間に達し,被覆と非被覆処理の間の地温差は他の2年よりも大きかった。浮遊うね被覆は鱗茎収量にほとんど影響しなかった。他の成長面に関しては,高温と乾燥が同時に起こったときに,熱損傷による浮遊うね被覆下での生存の減少が観察された。また,浮遊うね被覆はタマネギ蛆の食害を減少させる傾向があった。不織布の浮遊うね被覆は,主に土壌温度を上昇させることにより,春播き,直接播種タマネギの出芽と初期成長を効果的に促進する。その程度は年によって異なるが,以前の鱗茎形成と倒伏,およびタマネギウジ食害の減少も期待される。これらの結果は,不織布の浮遊うね被覆が発芽の遅れのリスク,低温による成長抑制,倒伏時間の遅れ,およびタマネギ蛆食害を低減するための実行可能な選択肢であることを示唆している。(翻訳著者抄録)