抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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神奈川県足柄平野と大磯丘陵の間に位置する国府津-松田断層帯は足柄平野が大磯丘陵に対して沈降する逆断層である。本断層帯における古地震履歴は足柄平野におけるトレンチ調査やコアリング調査などの地質調査に基づいて明らかになっている。これらの研究により,この断層帯が約3000年前に活動した可能性が報告された。「3000年前地震イベント」の発生を確認する目的で,著者らは,平野南部から採取した2点のボーリングコア試料を用いてCNS元素分析,花粉化石分析,火山灰分析および放射性炭素年代測定を行った。GS-ASG-5コアから2イベント層(イベントE-A1層およびE-A2層)およびTJ11-1コアから3イベント層(イベントE-T1層,E-T2層およびE-T3層)をそれぞれ発見した。イベントA-E2層とT-E3層の両者は富士山から噴出した砂沢ラピリ(F-Zn)と湯舟第一スコリア(Yu-1)の2テフラ層の間で見出された。このことは,足柄平野の地震時沈降を示唆するとともに,国府津-松田断層帯が約3000年前に破壊したという仮説を支持する。加えて,イベントA-E1層とT-E2層の両者が伊豆半島から噴出したカワゴ平軽石層の直下で見出されることから,両者は同一の地震イベントに対応している可能性がある。TJ11-1コアの放射性炭素年代は,イベントT-E1層が4700cal BP頃に発生したことを示唆する。(翻訳著者抄録)