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J-GLOBAL ID：201902225475408472   整理番号：19A0722528

湿度制御した温風処理における殺虫効果の検証

Investigation of Insecticidal Effect under Humidity-controlled Warm-air Treatment

著者 (6件)： 小峰幸夫 (東京文化財研) ,  佐藤嘉則 (東京文化財研) ,  原田正彦 (日光社寺文化財保存会) ,  北原博幸 (トータルシステム研究所) ,  木川りか (九州国立博物館) ,  藤井義久 (京大 大学院農学研究科)
資料名： 保存科学  (Science for Conservation)
号： 58  ページ： 21-28  発行年： 2019年03月22日 
JST資料番号： Y0449A  ISSN： 0287-0606  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 「湿度制御した温風殺虫処理」は,60°Cまで温度を徐々に上昇させ,木材の含水率を変化させずに湿度を制御することによって木材内部に生息する昆虫の除去を可能にする。愛染堂で行われたこの処理の殺虫効果を調査するために,殺虫効果の評価と捕虫テープを使用した昆虫トラップ調査という2つの方法を調べた。アフリカヒラタキクイムシを供試虫に選定した。卵と幼虫を含む特殊な人工飼料を開発した。その後,この飼料をケヤキ材の中心に封入し,環境チャンバーに設置した。その結果,ある期間処理の下で昆虫を育てた後は,どの成虫も人工飼料から成長しなかった。この理由から,本研究により,人工飼料の使用が高温処理における殺虫効果を調査するための効果的方法であることが判明した。シバンムシ種が最も豊富な季節の間にトラップ調査を実施し,種と個体数を調査した。その結果,処理前に頻繁に捕獲された木材害虫,アカチャホソシバンムシが,その後は捕獲されなかった。この殺虫処理は,木材の内部に生きるアカチャホソシバンムシに対して有効であると考えられる。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *古建築 ,  木構造 ,  文化財保護 ,  *虫害 ,  殺虫作用 ,  風 ,  栃木県 ,  害虫 ,  *害虫防除 ,  人工飼料 ,  木材 ,  ケヤキ ,  温風 ,  日光市 ,  木造建築物 ,  コウチュウ目 ,  パイロプロセス ,  有翅亜綱 ,  無脊椎動物
準シソーラス用語： 甲虫類 ,  高温処理

分類 (1件)： 自然災害  (RA02030M)

引用文献 (17件)：

• 小峰幸夫、 木川りか、 原田正彦、 藤井義久、 藤原裕子、 川野邊渉 : 日光山輪王寺本堂におけるオオナガシバンムシPriobium cylindricumによる被害事例について、 保存科学、 48、 207-213(2009)
• 小峰幸夫、 原田正彦、 野村牧人、 木川りか、 山野勝次、 藤井義久、 藤原裕子、 川野邊渉 : 日光山輪王寺本堂におけるオオナガシバンムシの発生状況に関する調査について、 保存科学、 49、 173-181 (2010)
• 小峰幸夫、 林美木子、 木川りか、 原田正彦、 三浦定俊、 川野邊渉、 石﨑武志 : 日光の歴史的建造物で確認されたシバンムシ類の種類と生態について、 保存科学、 50、 133-140 (2011)
• 原田正彦、 木川りか、 小峰幸夫、 藤井義久 : 重要文化財輪王寺本堂の大規模被覆ガスくん蒸-実施までの経緯の概要-、 保存科学、 53、 215-224 (2013)
• 文化財虫菌害研究所編 : 文化財の殺虫・殺菌処理標準仕様書2016年版、 公益財団法人文化財虫菌害研究所 (2016)

タイトルに関連する用語 (4件)： 湿度制御 ,  温風 ,  殺虫効果 ,  検証