抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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金属錯体の柔軟な酸化還元特性はレドックス触媒にとって重要である。本研究では,周知の酸化触媒であるマンガン-(III)サレン錯体と水酸化物イオンとの反応が,酸化還元電位を劇的に低下させる過渡的マンガン-(III)種を与えることを示した。シアン化物イオンとの反応は,通常の高スピンS=2マンガン(III)をもつ出発Mn~III(salen)-(OTf)と対照的に,低スピンS=1状態のアニオン性[Mn~III(salen)-(CN)2]-として特性化される,ほぼ同じ分光学的およびレドックス特性をもつ安定なマンガン-(III)種を与える。したがって,本研究では,XがOH-またはCN-のいずれかであるアニオン性6配位[MnIII(salen)-(X)_2]-種から劇的な酸化還元シフトが生じることを明らかにした。共鳴Raman測定により,イミノ基の伸縮バンドはMn~III(salen)-(OTf)から[Mn~III(salen)-(CN)_2]-への変換により1620から1597cm-1にシフトし,[MnIII(salen)-(CN)_2]-に対するC=N二重結合特性の低下を示した。サレン配位子の観測された変形は,低スピンマンガン(III)の形成によるイミノπ*軌道上の電子集団の増加の明確な指標である。[Mn-III(salen)-(CN)_2]-の電子構造は,低スピンマンガン(III)からの分子内電子移動により,サレン配位子のイミノ基が一電子により還元される価電子互変異性[Mn~IV(salen)-(CN)_2]-から限られた寄与しか含まないことを提案した。本研究は,サレン配位子が低スピンマンガン(III)を安定化する負電荷のためのリザーバとして働くという予想外の新しい発見を明らかにした。Copyright 2019 American Chemical Society All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.【JST・京大機械翻訳】