抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本では,農産物直売所は様々な観点から小規模な農民にとって重要である。例えば,農産物直売所は,市場へのルートを保証し,高齢化した農民に目的意識を与える。農産物直売所は,市場に商品を供給する農民にとっても重要である。また,直売所を利用する農民を取り巻く環境も重要である。例えば,特定の農民からのアドバイスを得るか,あるいは商品をどのように出荷するかが,他の農民の出荷手段を決定できると考えられている。さらに,農民と農業協同組合の間の関係は,どのような商品を直売所に持っていくかだけでなく,農民の間の新しい作物の普及と栽培に関する指針を含む他の考慮にも焦点を合わせる。岡山県の蒜山地域における小規模農家の生存戦略について,農産物直売所に彼らの生産物を出荷する農民の経営スタイルと,直売所に関する農業協同組合と関連機関によって果たされた役割に焦点を当てて検討した。調査した蒜山地域は岡山県北部に位置する高原農村地域である。主な産業は農業と観光である。農業に関しては,蒜山地域は,ダイコンとキャベツなどの高原野菜の最大の産地である。この地域で生産されたダイコンは,蒜山ダイコンとして一般的に知られており,主に関西地域の市場に供給されている。他の地域のように,蒜山地域の農業は,他の地域との競争ばかりでなく,高齢化のために農民の数の低下に直面しており,一般的に大規模農民と小規模農民に分割されている。一方,観光に関しては,西日本における最大の高地リゾートを有するための急速成長の時代以来,蒜山地域は有名であった。しかし,この地域へのグループ旅行は,1990年代以降,資産インフレによる好況の終わりに減少している。1992年に,川上村,農業協同組合,および酪農協同組合の時代に作られた半公共組織は,農業を活性化するために設計された観光主導としての農産物直売所を設定した。調査方法は,農民が農産物直売所に彼らの商品を供給している農民との聞き取りインタビューから成った。具体的には,彼らは彼らの農場を如何に管理し,農場は市場に供給されるものをどのように生産し,農場生産を導入する機会および彼らの他の農民との関係を尋ねた。さらに,農産物直売所の管理者と農業協同組合のメンバーに対し,彼らの様々な農民との関係について聞き取りインタビューを実施した。結果は,農民が農場生産を導入するとき,近隣農民との繋がりが重要な役割を果たすことを明らかにした。これは,農産物直売所が農民間の交換のための場所ではないことを示唆する以前の研究と対照的である。さらに,農民間の密接な繋がりは,納品物の偏り問題を提起した。しかし,この問題は,農産品を広い地域に分散する機構を確立することにより解決されている。さらに,農業協同組合は指針を示し,小規模な農民の間で新しい作物を普及させることに努め,それが小規模な農民が作業を続けている主な理由になっている。農業協同組合の現在の運用により,蒜山地域の農業が持続されていることを示唆している。(翻訳著者抄録)