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J-GLOBAL ID:201902233365217609   整理番号:19A1801324

活性汚泥中の微小動物相に及ぼす溶存酸素濃度の影響

Effect of Dissolved Oxygen Concentration on Microfauna in Activated Sludge
著者 (5件):
資料名:
巻: 55  号:ページ: 23-34(J-STAGE)  発行年: 2019年 
JST資料番号: Z0591A  ISSN: 0910-6758  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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排水処理分野で利用される生物指標は,活性汚泥中に出現する微小動物相と,処理状況との関連について経験的な知見の集積から生み出された指標である。顕微鏡を用いて微小動物相を観察すれば,処理水のBOD濃度,溶存酸素濃度(DO)の高低など,処理状況を診断することが可能とされている。しかし近年,これまで標準活性汚泥法を採用する処理場において多く利用されてきた生物指標が,高度処理においては適応されない事例が確認されている。例えば,標準活性汚泥法において鞭毛虫類が活性汚泥中に優占化した場合,処理水中の有機物の残存や処理状態の悪化を示すとされ,アメーバ類が優占化した場合,DOが高くフロックの解体を示すとされているが,高度処理法においては,鞭毛虫類と小型のアメーバの優占化は,窒素除去率と正の相関があることが報告されている。 この高度処理法と標準活性汚泥法における指標性の差異は反応槽内のDOの違いに起因すると推測されるが,活性汚泥中のDOと出現する微小動物相の関係について,定量的な情報は極めて少ない。そこで本研究では,微小動物相に与えるDOの影響を定量的に把握することを目的に活性汚泥の半回分培養を行い,DOを7.2~0.2 mg/Lまで8段階に変化させた際の微小動物相と処理水質(活性汚泥の上澄水)を観察した。 結果,溶存態有機物除去率は全DO期間を通し95%以上であったが,各DO期間において生物相は変化した。鞭毛中類とアメーバ類はDOが低くなるにつれて個体数濃度が増える傾向が観察された。アメーバ類について,小型の有殻アメーバであるCryptodifflugia sp.は,DO 2.4 mg/L以下で個体数濃度が最大になり,大型の無殻アメーバはDO 0.2 mg/Lの期間で多く観察された。また鞭毛中類について,Monas sp.はDO 0.2mg/Lの時に個体数濃度が最大となった。後生動物はDOが低くなるにつれ個体数濃度を減らし,繊毛虫類はどのDO期間においても一定の個体数濃度が観察された。しかし,各生物群の中でも出現する属や種はDOによって変化し,分類群だけではDO適性を論じることはできないことがわかった。 さらに,観察された微小動物の個体表面積と個体体積の比(S/V比)を求め,本実験期間中に個体数濃度が最大となった期間のDOとの関係を調べた。結果,低DO環境下ではS/V比が大きな微小動物の個体数濃度が高まる傾向があることが示唆された。しかし,S/V比とDOの関係は生物種によって異なることがわかり,低DO適性についてS/V比以外の要因も働いていることが考えられ,これについては今後検討していく必要がある。(著者抄録)
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分類 (2件):
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下水,廃水の生物学的処理  ,  個体群生態学 
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