抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年「マルシェ」と名付けられた屋外型の直売市が日本各地で開設・注目されるようになっており,有機直売市もその一つである.有機農産物等を扱う直売空間を類型化した結果,仮説的に4種類に分類された.本報告で事例として取り上げる北海道帯広市の有機直売市は,その一類型である「商店コラボ型」として位置づけられ,その活用事例,消費者による利用状況,運営状況を具体的に把握しながら,有機直売市の存在意義と可能性,課題等を明らかにした.アンケート調査やヒアリング調査などから,有機直売市は,有機農産物や自然栽培等による農産物を求める消費者の購買により大きく支えられること,地域農業や地産地消を重視する価値観を共有できる既存の商業施設と有機直売市の連携は,経済的な繋がりを超えて共存共栄の関係を築くことが出来ることが示唆された.移動式の器具を利用して設営される屋外型の直売市の場合,初期費用は少ないが,駐車場の共有や設営道具の保管などにおいて,連携する商業施設に依存する部分も大きく,それによる支援・貢献は直売市の運営に重要な要素となっていた.有機直売市に出荷する会員農家が,売上額と販売コスト・手間とのバランスをとることは容易ではなく,既存の様々な販売方法と組み合わせ,直売市の利点・特長を生かした活用方法を模索・確立していく必要性が明らかとなった.(著者抄録)