抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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われわれは,最近,分散重合で得られたポリスチレン粒子(PS)をポリビニルピロリドン(PVP)水溶液中でマグネチックスターラーを用いて単に撹拌するだけで,ミクロンサイズの真球状PS粒子が異形化するという現象を見いだした。得られた高分子微粒子はこれまで膜伸縮法などで作製されている,紡錘状の異形粒子と違い,円柱に近いシリンダー状の形状に変形していた。さまざまな撹拌法や用いる容器やスターラー形状の種類の検討により,この変形は,層流による粒子への剪断応力が原因であると示唆された。しかしながら,剪断による変形であるとしても,室温で撹拌しているためガラス転移点が100°C付近のポリスチレンが変形するには何らかにより可塑化される必要がある。実際,PS粒子からPSフィルムを作製し,PVP水溶液に浸漬後,その引っ張り強度を測定したところ,乾燥状態や純水で浸漬した系よりも明らかにその強度が低下したことから,分散安定剤として用いたPVPによるPSの可塑化が明らかになった。さらに,得られたシリンダー状粒子を粒子界面活性剤としてデカン/水のピッカリングエマルションの作製を行った。シリンダー状粒子を用いて作製したピッカリングエマルションは,真球状粒子を用いた場合より強い安定性を有しており,1年以上放置しても,乳化状態を保持していた。(著者抄録)