抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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室内の温熱環境や空調負荷をより適切に予測する方法を確立するためには,計算条件が実際の状況とよく一致していることが不可欠です。北海道の住宅の冷暖房設備の実際の用途は他の地区とは異なる可能性が高いが,現在は統一された条件が予測に用いられている。また,寒冷地用のエアコンが開発され,近年普及してきている。しかし,北海道におけるエアコンの実際の使用法はまだ明らかにされていない。そこで,本調査の目的は,ウェブアンケートの結果に基づいて,北海道におけるエアコンの実使用量を推定することである。結果は以下の通りである。北海道のエアコン世帯のうち,夏場にエアコンを使用する世帯の割合は80%を超えた。しかし,中間期は40%,冬期は20%になる。エアコンを設置する主な理由は夏の冷房に使用するためであることがわかった。そして,除湿モードは一年中使用されている。これは,北海道では洗濯物を室内で乾燥させる習慣に関連している可能性がある。冬場の暖房にエアコンを使用している世帯の割合は約20%であり,暖房機器としての利用率は高くないといえる。しかしながら,このエアコンは,中間季節の朝の瞬間暖房,冬の就寝時のタイマー付き使用など,他の暖房機器よりも便利であるという利点を有する。エアコンの世帯の半数以上が,エアコンが暖房に使われていると考えたことは一度もなかった。そして,エアコンを実際に暖房に使用していない家庭では,40%の家庭がネガティブなイメージを持っている。これらは暖房用エアコンの使用を遅らせる要因となる。エアコンの世帯の90%以上では,設定温度はすべての季節で予測のための一般的な温度よりも高くなっている。年間を通じて室内温度は約24°Cに保たれていることがわかった。北海道では,体感温度を衣服の量で調節する習慣が少ないため,室内の温度は衣服の量を大きく変えることなく常に快適な範囲で調節される。(翻訳著者抄録)