抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究では,陸域の人間活動が生態系サービスにどのような影響を与えているのかを明らかにするために,兵庫県の加古川河口付近の養殖ノリを対象とし,ノリの漁場環境指標と漁獲データとの相関分析を実施した。漁場環境指標は,水温,DIN,DIPとし,漁獲データは主にノリの漁獲高と等級を取り上げた。本研究で得られた主要な結果は,以下のとおりである。・漁期前半(10~12月)は,ノリにとって最適な水温(6~16°C)を上回ることが確認された。また,水温が高いほど質のよくないノリの生産枚数が減少することが明らかとなった。このことから,最適な水温以上の環境下では,質のよくないノリが,DINを吸収することができずに成長が阻害された。その結果として質のよくないノリの生産枚数が減少することが示唆された。・漁期後半(1~4月)は,最適な水温となる。DINが減少し,質のよいノリの割合が増加している。つまり,ノリにとって最適な水温環境下では,ノリがDINを多く吸収し,質のよいノリが育つと考えられる。・良質なノリの生育には,水温とDINが重要であると確認できた。また,ノリの質・量を表す指標のうち,等級別生産枚数がこれらの指標と強い相関関係を示すことも明らかになった。(著者抄録)