抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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・総務省(2017)が政府の公式見解として用いた関係人口の概念を改めて定義し,以下の3つの観点からその意義を検証。
・第一は各地域の目指すべき方向性は,地域の持続可能性を追求すべきであるとの立場に立ち,そのために行われる地域作りと関係人口とのかかわりについての観点である。日本全体が人口減少社会を迎えた今日,人口や産業の集積とした国土政策には限界があり,今後は個々の地域が,それぞれの地域に合ったスタイルで地域の持続を目指す可きであり,地域の持続性に対する関係人口の概念の有効性を提示。
・第二は地域の持続可能性の実現には住民自治が不可欠であるという観点であるが,これには団体自治と住民自治があり,地域活性化が叫ばれ,国や地方自治体が地域活性化政策を次々と提示してきた結果,行政が主導権を握り,住民が従属する構造になる。しかし,住民自治を推進するためには,定住人口の維持が見込めないので,関係人口に期待がかかり,関係人口の拡大が住民自治を支え,持続可能な地域を構築して,行くものと考察。
・第三はローカルイノベーションの観点である。農山漁村地域では過去の伝統を維持しつつ,急速に変化する現代社会の生活様式や生産様式に対応していかざるを得ない。これらに実行には当該地域の出身者のみでは限界があり,新たに関係人口が大きな役割を果たしていくものと予測。
・なお,関係人口の知見をより明確にするため,徳島県佐那河内村の事例も検証。