抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地方圏の機械系中小企業は近年活発にイノベーション活動に取り組んでいる。本研究は,地方圏の1つである熊本県内のイノベーション活動に取り組む機械系中小企業を事例に,イノベーション活動の存立基盤とその空間的特性を明らかにした。事例企業は,技術的特性と発展過程に基づいて,基盤的技術型企業,部品組立型企業,製造装置生産型企業の3類型に分類された。イノベーションの技術志向はそれぞれの企業が蓄積してきた技術的特性に規定されていた。事例企業の開発プロセスに注目すると,大企業からの支援と濃密な産学官連携ネットワークの存在の2つが,イノベーションを支える地域的な基盤となっていた。また,イノベーションのためのネットワークは熊本県内という狭い空間スケールを中心に構築されていた。熊本県内では産業支援主体である公設試や大学などが熊本都市圏に集中していた。熊本都市圏から遠い地域に立地する企業は,イノベーションの創出のための支援を受けることが困難であった。そのため,これらの企業は産業支援機能を享受するため,熊本都市圏内に拠点を立地させていた。つまり,事例企業は,イノベーティブな活動を通して,熊本都市圏への集中傾向を強めていた。(著者抄録)