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J-GLOBAL ID：201902240302701089   整理番号：19A0487437

サトウキビの梢頭部における挫折時モーメントの品種間差異

Studies on Varietal Differences in Bending Moment at Breaking of Sugarcane Top

著者 (7件)： 服部太一朗 (農研機構九州沖縄農業研究センター) ,  樽本祐助 (農研機構九州沖縄農業研究センター) ,  寺内方克 (農研機構中央農業研究センター) ,  境垣内岳雄 (農研機構九州沖縄農業研究センター) ,  早野美智子 (農研機構九州沖縄農業研究センター) ,  安達克樹 (農研機構九州沖縄農業研究センター) ,  伊禮信 (沖縄県農業研究センター)
資料名： 日本作物学会紀事  (Japanese Journal of Crop Science)
巻： 88  号： 1  ページ： 18-26(J-STAGE)  発行年： 2019年 
JST資料番号： G0811A  ISSN： 0011-1848  CODEN： NISAAJ  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： サトウキビ育種では風折抵抗性が重要な評価項目のひとつであるが,台風の規模やサトウキビの生育状況など不確定要因が多く,より精度の高い評価手法が求められている.我々は,これまでに,最上位肥厚帯から50~60 cm下部に位置する生長帯の挫折時モーメントが,梢頭部で生じる折損に対する抵抗性の指標となり得る可能性を示唆した.本研究では,挫折時モーメントについて,春植えしたサトウキビ8品種系統の生育旺盛期における変動実態や品種間差異を調査し,育種情報としての利用可能性を検証した.8月5日と8月26日に,最上位肥厚帯から約55 cm下方の生長帯を,9月26日には同位置の生長帯とその一つ上位の生長帯を,それぞれ対象として,挫折時モーメント,断面係数および曲げ強度を調査した.その結果,いずれの特性値も,測定の時期や対象とする肥厚帯の位置によって測定値が増減することが明らかとなり,生長帯の成熟度が関与している可能性が考えられた.一方で,個々の品種系統の測定値の大小には各測定時期間で正の相関関係またはその傾向が認められ,各品種系統の相対的な強度は一貫した傾向を示すことが明らかとなった.また,断面係数と曲げ強度の測定結果から,挫折時モーメントを増大させる主要因は品種系統ごとに異なり,品種系統に固有の特性として,異なる時期においても安定して発現していることが示された.以上から,挫折時モーメントは折損抵抗性に関する有用な育種情報となり得ることが示唆された.(著者抄録)

シソーラス用語： サトウキビ ,  *風害 ,  品種差 ,  *倒伏 ,  *モーメント ,  枝 ,  台風 ,  耐倒伏性
準シソーラス用語： *挫折時モーメント ,  品種間差異 ,  *風折抵抗性

著者キーワード (10件)： サトウキビ ,  風折抵抗性 ,  挫折時モーメント ,  断面係数 ,  曲げ応力 ,  sugarcane ,  bending moment at breaking ,  bending stress ,  section modulus ,  wind-caused cane-top breakage

分類 (2件)： 作物の品種  (FC02020V) ,  植物に対する影響  (EE04030Z)

引用文献 (20件)：

• Ferreira, S.S., Hotta, C.T., Poelking, V.G.de C., Leite, D.C.C., Buckeridge, M.S., Loureiro, M.E., Barbosa, M.H.P., Carneiro, M.S. and Mendes Souza., G.M. 2016. Co-expression network analysis reveals transcription factors associated to cell wall biosynthesis in sugarcane. Plant Molecular Biology 91: 15-35.
• 服部太一朗 2014. バイオエタノールの挑戦 サトウキビ. 最新農業技術作物 Vol.6, 農山漁村文化協会. pp.81-86.
• Hattori, T., Tarumoto, Y., Sakaigaichi, T., Tanaka, M., Hayano, M. and Irei, S. 2016. Morphological and physical studies on varietal difference in resistance to wind-caused cane-top breakage in active growth stage. Proceedings of the International Society of Sugar Cane Technologists 29: 706-709.
• 気象庁 2017. 沖縄・奄美への接近数 (2016 年までの確定値と2017年の速報値). http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/accession/okinawa_amami.html (2017 年 4 月 28 日閲覧).
• Liu, D.L., Kingston, G. and Bull, T.A. 1998. A new technique for determining the thermal parameters of phenological development in sugarcane, including suboptimum and supra-optimum temperature regimes. Agricultural and Forest Meteorology 90: 119-139.

タイトルに関連する用語 (4件)： サトウキビ ,  頭部 ,  モーメント ,  品種間差異