抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは,原子力発電所の事故の影響を受けた地域に新しい建物を建設する前に,放射線環境を予測し,建物の放射線空間線量率を下げるための建築対策を容易にする方法を確立することを目指している。建物内の線量率分布の形成メカニズムを明らかにするためには,外壁におけるγ線入射特性の現場測定が必要である。指向性放射測定のためのいくつかの方法が過去に提案されている。しかし,この目的に最適な測定器はない。この論文は,著者が開発した指向性γ線測定器について報告した。本研究では,著者らは,被災地で支配的な放射性核種137Csからのガンマ線に対する鉛遮蔽ディスクを使用した指向性放射線空間線量率測定器を開発した。装置の開発に先立ち,現地調査を目的とした2種類の指向性放射測定法を検討した。1つの方法は,シンチレータの特定の方向を除外した円筒形コリメータで放射線を遮蔽する方法で(図2),もう1つの方法は,遮蔽なしの測定結果から特定の方向を遮蔽する鉛ディスクで測定結果を引くことで差を得る(図3,4)。この方法の選択において考慮した事項は,3×3φインチNaI(Tl)シンチレータと鉛遮蔽,装置の視野角,感度カットオフ性能および重量から成る装置の構成を含む。本研究では,フィールド測定の扱いやすさに重点が置かれているため,後者の方法が選択され,後者の方法は,外部からの放射によって測定誤差が発生する可能性がありますが,軽量シールドで良好な遮断性能を容易に実現する。指向性放射の視野角を遮蔽ディスクの直径Dとディスクとシンチレータ間の距離Lによって決定するので,DとLの組合せをJAEAによる放射線解析コードPHITSを用いて研究した。著者らは,DとLの組合せを評価するために,等価視野角φeqと感度濃度RCの比率を定義した。ある組合せの方向性感度の積分値が理想的視野角φと同じであるとき,組合せの視野角は等価視野角φeqと定義される。係数RCは全感度に対する角度φeq内の積分感度の比であり,視野角近くの感度カットオフの鮮鋭度を評価した。これらの係数を用いて,DとLのいくつかの組合せに基づく特性を比較し,研究した。視野角が+/-45°となるようにDとLを設計した。最後に,直径150mm,厚さ50mmの鉛遮蔽ディスクを選択し,シンチレータを35mm間隔で配置し,等価視角φeqを+/-45°とした。設計した測定器の妥当性を検証するために,137Cs点源と実際の測定器を用いて実験を行い,PHITS解析と実験結果の間の良好な一致を確認した。(翻訳著者抄録)