抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
サザンカにおける輪紋葉枯病の被害発生パターンを明らかにするため,野外観察を行い,形態的な基準に基づいて本病の病斑のタイプ分けを行なうと共に,各タイプの病斑の野外における季節変動を調査した。その結果,本病の病斑は「縁なし」,「褐色・縁あり」,「白色・縁あり」,「不規則」,「縁のみ」の5タイプに分類できた。「縁なし」が形成された罹病葉は脱落性が高かったが,他の4タイプでは低かった。本病の感染源である菌体は「縁なし」「褐色・縁あり」「不規則」に形成された。菌体は通年確認されたが,降水量が多い時期と気温が15~28°Cの時期に特によく出現した。「縁なし」は降水量の多い時期と平均気温が15~25°Cの時期によく出現した。「褐色・縁あり」は気温が高い時期,「白色・縁あり」は気温が低い時期に多く出現し,前者の一部は後者に変化すると考えられた。「不規則」は大半が新葉で形成された。「縁のみ」は微小な病斑で,春先に一時的に出現したことから,形成されたばかりの病斑と考えられた。これらの性質から,「縁なし」は落葉を伴う激害を引き起こし,「褐色・縁あり」「不規則」は被害の慢性化に繋がると考えられた。このように,本病は異なるタイプの病斑が被害の拡大サイクルにおいて異なる役割を果たしていると考えられた。(著者抄録)