抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らの以前の研究において,圧延および線引の際に繰返し中間焼なましによって製造したCu-0.29wt%ZR合金の細いワイヤ(IAワイヤ)が,600MPaの0.2%耐力σ
0.2,630MPaの最大引張強さσ
u,および91.7%IACSの電気伝導率Eを示した。ECAP-コンフォームプロセスとその後の圧延および線引で製造した合金の細いワイヤ(ECAPワイヤ)はσ
0.2=730MPaとσ
u=790MPaの大きな値を示したが,IAワイヤよりもE=73.0%IACSの小さな値であった。本研究はECAPワイヤのEの小さな値とσ
0.2の大きな値ならびにIAワイヤの大きなEの値の原因を調べている。ECAPワイヤの大きなσ
0.2の値は小さな粒径と高い転位密度による。ECAPワイヤの小さなEの値は主に,ECAP-コンフォームプロセスで製造された合金中の,新たに見いだされたCu母相との立方-立方方位関係を有する規則化fcc析出物が圧延および線引の際に転位によって切断され,Cu母相中への溶解をもたらすことに起因する。IAワイヤは,繰返し中間焼なましがすべてのfcc析出物を転位によって切断されることのない不整合fcc析出物へ変化させるためにより大きなEの値を示す。さらに,得た結果に基づき,良好な強度,延性および電気伝導率を有する合金の細いワイヤを製造する試みを実施している。合金中のすべてのfcc析出物を,十分な析出の後の再結晶化を適用することで不整合にすることが可能である。そして,この合金をECAPによって処理し,その後線引を行なっている。製造した細いワイヤはσ
u=820MPa,ε
t=4.0%およびE=86.9%IACSの大きな値を示す。(翻訳著者抄録)