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J-GLOBAL ID:201902245257377629   整理番号:19A2330460

十勝岳火山の1962年と1988~1989年噴火の比較岩石学的研究:噴火様式とマグマ過程の関係を理解するための事例研究

Comparative Petrological Studies of 1962 and 1988-1989 Eruptions of Tokachidake Volcano, Japan: A Case Study for Understanding the Relationship Between Eruption Style and Magma Processes
著者 (5件):
資料名:
巻: 14  号:ページ: 766-779(J-STAGE)  発行年: 2019年 
JST資料番号: F1399A  ISSN: 1881-2473  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 英語 (EN)
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十勝岳火山の繰り返すマグマ噴火は,20世紀における3つの機会に深刻な火山災害を引き起こした。次の噴火活動に備えて,初生物質の岩石学的分析によってマグマ給排システムの構造を理解することが重要である。ここでは,1962年と1988~1989年における2つの対照的噴火の間の違いを調べるために,初生物質の岩石学的分析を行った。これらの初生物質は全て苦鉄質安山岩から成り,それらはかんらん石含有玄武岩質マグマと輝石安山岩質マグマの混合によって形成された。これらの岩石すべてにおけるかんらん石斑晶の組成累帯は,安山岩質マグマへの玄武岩質マグマの注入が1962年の噴火の数か月前,及び1988~1989年の噴火の約6か月前に起こったことを示唆している。1962年の活動の場合には,混成マグマはマグマ溜りから停滞なしで急速に上昇し,サブプリニアン型として噴出した。しかしながら,1988~1989年噴火の初生物質は,基質部の高い結晶化度,かんらん石周縁の斜方輝石反応縁,及びチタン磁鉄鉱斑晶周縁の二次成長外套帯のような明確な岩石学的特徴を示す。これらの特徴は,混成マグマがゆっくりと上昇し,噴火以前に地下浅所に停滞したらしい事を示唆する。この停滞したマグマは火道系の帽岩となり,一連のブルカノ式噴火を引き起こした。これらの独特なマグマ上昇様式は,マグマ供給速度の相違によって説明できる。1962年噴火の事例において,24時間未満の期間に噴出したマグマの体積は,7.1×107m3であった。これと対照的に,1988~1989年の活動の3か月以上にわたって23回の爆発が発生し,初生物質と非初生的物質を含めて1×105m3の噴出物を生成した。これらの噴火速度の大きな相違は,2つの噴火活動の間のマグマの異なる上昇速度に起因すると考えられる。(翻訳著者抄録)
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分類 (1件):
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火山地質学一般 
引用文献 (29件):
  • [1] T. Ishikawa, I. Yokoyama, Y. Katsui, and M. Kasahara, “Tokachi-dake, its volcanic geology, history of eruption, present state of activity and prevention of disasters,” Committee for Prevention of the Natural Disasters of Hokkaido, Sapporo, 1971 (in Japanese with English abstract).
  • [2] Y. Katsui, S. Kawachi, Y. Kondo, Y. Ikeda, M. Nakagawa, Y. Gotoh, H. Yamagishi, T. Yamazaki, and M. Sumita, “The 1988-1989 explosive eruption of Tokachi-dake, central Hokkaido, its sequence and mode: Special Section: The 1988-1989 Eruption of Mt. Tokachi, Central Hokkaido,” Bull. Volcanol. Soc. Japan, Vol.35, No.2, pp. 111-129, 1990.
  • [3] Y. Ishizuka, M. Nakagawa, and S. Fujiwara, “Geological map of Tokachidake volcano, 1:30,000,” Geological Survey of Japan, p. 7, 2010.
  • [4] Japan Meteorological Agency, “10. Tokachidake,” National catalogue of the active volcanoes in Japan (the 4th edition), pp. 1-39, 2013.
  • [5] R. Tanaka, T. Hashimoto, N. Matsushima, and T. Ishido, “Permeability-control on volcanic hydrothermal system: case study for Mt. Tokachidake, Japan, based on numerical simulation and field observation,” Earth Planets Space, Vol.69, No.1, Article: 39, doi:10.1186/s40623-017-0623-5, 2017.
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