抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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経路選択に関する研究は,通常,個人特性と外部条件とから分析される。性格,好みなどの個人特性については,異なる個人特性が経路選択行動に大きな影響を与えると考えられている。良好な街路空間を創出するためには,個人の特徴を考慮する必要がある。しかしながら,個人特性の観点からの研究は十分に蓄積されていない。我々が経路を選択するとき,我々は方向または位置を変えて,異なる人々の特性が異なると推測するであろう。一方,街路形状,街路パターン,施設などの外部条件,そして,街路パターンが経路選択に及ぼす影響も重要であると考えられる。そこで,本研究の目的は,異なる街路パターンにおける経路の方向と位置の変化を分析することにより,個人特性と経路選択の間の関係を明らかにすることである。街路パターン以外の他の外部条件の影響を避けるために,白紙の地図上に経路を描く方法によって実験を行った。著者らは様々な街路パターンを持つ12の地図を選択した。これらは,建物と都市施設のない街路とブロックを示す線だけからなる白紙の地図であった。実験に関しては,被験者はそれらの地図上に経路を描き,実験の終わりにフェイスシートに答えるように求められた。著者らは,選択された経路,それぞれの被験者の個人特性,および経路選択方策の結果を分析し,次にそれらの間の関係を把握した。実験結果から得られた知識を以下に示す。最初に,経路選択方策の結果として,被験者は地図上の街路を街路として認識し,彼らが地図上に経路を選択することに気付く。第2に,異なる被験者は,彼らが経路を選択するときに異なる傾向を示した。例えば,経路の方向変更の結果については,ぶらぶら歩きに最も関心を持ち良好な空間認知能力を有するグループ1の被験者は,方向を頻繁に変更した。グループ3の被験者においては,ぶらぶら歩きに対する好みと空間認知能力が少なく,彼らは方向を変えることを好まなかった。第3に,経路の位置分布に関して,グループ1の被験者は長い経路を描き地図一杯に広がる傾向があり,また彼らは複雑なコースを描く傾向があった。グループ3の被験者は,主要な街路や特別な形状の街路に対してより大きな注意を示し,出発点の近くの簡単な経路を取った。最後に,経路の複雑さから,どのグループの被験者であるかに拘らず,彼らは必ずしも同じ特性を持った街路を選択しない。特にグループ1の被験者において,彼らの経路は複雑な街路と単純な街路の間で頻繁に変化する。(翻訳著者抄録)