抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
国際協力分野では,1990年代から開発事業に伴う環境社会配慮の必要性が強く認識され,主要な国際機関,各国の協力機関において環境社会配慮のためのガイドラインが導入された。我が国では,2002年に,有償資金協力についての「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」が,2004年には,技術協力について「環境社会配慮ガイドライン」がそれぞれ導入されてきた。そして,2008年には,旧国際協力銀行の海外経済協力業務と,外務省の無償資金協力業務がJICAに統合されたことを受けて,新たに環境社会配慮ガイドライン(ESCガイドライン)が策定され運用されている。現在のJICAは,技術協力,有償資金協力(円借款,海外投融資を含む),無償資金協力の3つのスキームを統合的に運用し,これらの事業規模は合計で約2兆5千億円(2015年度)にのぼっており,これらすべての事業に対しESCガイドラインが適用されている。また,ESCガイドラインの適正な運用を確保するために,外部専門家等による環境社会配慮助言委員会が設置され,透明性の高い運用がなされている点も特徴である。近年は,開発協力大綱にもとづいてSDGsの推進を図るとともに,民間資金との連携を進め,多様な事業展開による複雑な開発課題の解決にむけた取り組みが進められている。本報告では,これらの現状を整理するとともに,今後に求められる取り組みについて議論を深める。(著者抄録)