抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,養豚農家の密閉縦型堆肥化装置を対象に,発生する排気中のアンモニア(NH
3)を回収装置によって除去したときの,通年のNH
3回収能力および回収後のNH
3を含む溶液(回収液)の利用について検討することを目的とした。福島県の養豚農家(S農場;母豚200頭規模)の密閉縦型堆肥化装置にリン酸溶液を充填した容積600LのNH
3回収装置を接続し,2017年11月,2018年1月,4月および7月の4期間において10日間の連続稼働実験を実施した。その結果,回収装置前後で排気中のNH
3濃度は1833~3222ppmから117~149ppmに低減し,平均のNH
3除去率は94.7%であった。回収液は,窒素が6.08~6.60%,リン酸が18.6~20.5%含まれた。回収液の交換ごとに150kg程度のリン酸を用いて,約30kgの窒素が回収された。気温の高い夏季には窒素と結露水からなる回収時の液増加分が少なく,条件によって高濃度になる可能性が示唆された。また,肥料取締法における液状複合肥料としてみなした場合の有害成分はいずれも検出されず,幼植物の生育についても対照肥料と同等の効果が示された。そのため,回収液については単独での肥料利用もしくは混合堆肥複合肥料の原料として利用可能であることが示された。(著者抄録)