抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究では異なる条件で作製した架橋キトサンビーズによる六価クロム(Cr(VI))イオンの吸着除去特性を評価し,吸着挙動を動力学的に解析した.さらに架橋キトサンビーズを充填したカラムによる流通式でのCr(VI)イオンの除去を行った.異なる濃度のキトサン溶液をトリポリリン酸溶液中に滴下することでキトサンビーズを作製し,さらにグルタールアルデヒド(GA)で化学架橋することで不溶化させた.架橋キトサンビーズへのCr(VI)イオン吸着量は初期pH3.0で最大となり,温度の上昇に対して緩やかに増加した.また,Cr(VI)イオン吸着量はキトサンビーズ作製時のアミノ基濃度の増加に対して増加したが,架橋時のGA濃度や反応温度を高くするまたは反応時間を長くすると,架橋反応が進行するため,含水率だけでなく吸着量も低下した.Cr(VI)イオンの吸着挙動は擬二次反応速度式に従い,さらにLangmuir吸着等温式が成立したことから,Cr(VI)イオンの吸着は主にプロトン化したアミノ基とHCrO
4-イオン間での静電相互作用によって1:1で進行すると考えられる.また,架橋キトサンビーズをカラムに充填してK
2Cr
2O
7溶液を流通させると,架橋キトサンビーズ量が多いほど溶出液のCr(VI)イオン濃度が低下した.上述した結果は本研究で作製した架橋キトサンビーズを用いて効果的に水媒体中からCr(VI)イオンを吸着除去できることを示す.(著者抄録)