抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,第4世代移動通信システムの普及に伴う高速で大容量の通信インフラの整備によって,ユーザは,移動中にスマートフォンを用いたデータ通信を気軽に利用できるようになった。移動体通信事業者は,高速移動中においても安定した通信品質を確保するため,日々無線環境やネットワーク容量を監視及び運用を実施している。一方で,都市部では,地下鉄網が充実し,ユーザは日々の通勤や通学をはじめとした移動手段として,地下鉄を利用している。地下鉄走行中における移動体通信網との接続品質は,地下共同溝に対する無線アンテナ整備によって,一部路線にて改善されてはいるものの,通信品質が不安定な箇所も多々存在する。そのため,移動体通信事業者にとって,地下鉄乗車中の移動体通信網利用者への安定した通信サービスの提供は喫緊の課題である。これまで,移動体通信事業者は,地下鉄走行中の無線環境調査において,試験用端末を所持した調査員を当該車両に乗車させ,切断箇所や品質情報の測定をしていた。そのため,都市部の全地下鉄路線を網羅的に且つ高頻度に調査することは困難であり,無線品質の調査に膨大な時間を要していた。そこで,本研究では,日々移動体通信事業者が無線環境の品質情報の分析などを目的に収集している無線基地局側で取得された携帯電話通信履歴の中から,地下鉄乗車者の履歴のみを抽出する手法を提案することで,容易に地下鉄乗車中における無線環境情報の収集を目指す。既存の携帯電話通信履歴を用いた移動経路や乗り物判定技術では,携帯電話通信履歴内の接続基地局の遷移パターンを利用する手法があるが,本提案においては,基地局遷移パターンに加えて,無線セクター情報,遷移時間,各基地局との通信遅延時間などの新たな特徴量を追加してさらなる判定精度の向上を目指す。本論では,地下鉄乗車中の携帯電話通信履歴同定に向けた正解ラベル付与,特徴量生成,機械学習による路線判定技術について述べ,個別許諾を得られている一部顧客の携帯電話通信履歴を用いた評価にて本提案の有効性を示す。(著者抄録)