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J-GLOBAL ID：201902259508623694   整理番号：19A1932817

EtMe₃Sb[Pd(dmit)₂]₂の境界に制限されたガラス状フォノン熱伝導

Boundary-limited and Glassy-like Phonon Thermal Conduction in EtMe₃Sb[Pd(dmit)₂]₂

著者 (1件)： YAMASHITA Minoru (Univ. Tokyo, Chiba, JPN)
資料名： Journal of the Physical Society of Japan  (Journal of the Physical Society of Japan)
巻： 88  号： 8  ページ： 083702.1-083702.4  発行年： 2019年08月15日 
JST資料番号： G0509A  ISSN： 0031-9015  CODEN： JUPSA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 2次元S=1/2三角格子をとる分子ベースの量子スピン液体の候補EtMe₃Sb[Pd(dmit)₂]₂において,その熱伝導率に有限の残留線形項κ₀/T≡κ/T(T→0)が観測され,遍歴型のギャップレス励起の存在に帰属されている。ここでは,いくつかの単結晶で測定されたκのデータが,残留線形項があるグループとないグループの2つへ分割されることを示した。有限のκ₀/Tがある第1グループでは,フォノン熱伝導率κ_phは他の有機化合物のものに匹敵する。これらの結晶ではフォノン平均自由行程l_phは低温で飽和し,試料サイズによって制限される。一方,κ₀/Tが零の第2グループでは,κ_ph は第1グループのものより1桁小さく,非晶質固体のものに匹敵する。第1グループと対照的に,l_phは低温でガラス状の飽和しない挙動を示す。これらの結果から,長いl_phを持つ結晶が熱伝導率測定による磁気励起を議論するとき必要になると示唆された。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 量子液体 ,  熱伝導率 ,  *硫黄複素環化合物 ,  オレフィン化合物 ,  有機アンチモン化合物 ,  パラジウム錯体 ,  励起 ,  ガラス状態 ,  平均自由行程 ,  フォノン
準シソーラス用語： *格子熱伝導率 ,  磁気励起 ,  *量子スピン液体

分類 (1件)： 格子振動の熱的・統計的性質  (BL03050G)

物質索引 (2件)： BEDT-TTF ,  dmit

引用文献 (37件)：

• L. Balents, Nature 464, 199 (2010).
• A. Kitaev, Ann. Phys. 321, 2 (2006).
• K. Kanoda and R. Kato, Annu. Rev. Condens. Matter Phys. 2, 167 (2011).
• T. Isono, H. Kamo, A. Ueda, K. Takahashi, M. Kimata, H. Tajima, S. Tsuchiya, T. Terashima, S. Uji, and H. Mori, Phys. Rev. Lett. 112, 177201 (2014).
• K. T. Law and P. A. Lee, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 114, 6996 (2017).

タイトルに関連する用語 (7件)： Pd ,  DMIT ,  境界 ,  制限 ,  ガラス ,  フォノン ,  熱伝導