抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本論文は,日本の電力会社による水力発電用コンクリートダム施工現場におけるバイブルドーザ(ブルドーザ搭載バイブレーター)の開発に関するものである。電力需要の急増に対応して,1960年頃に高さ100m以上の水力発電用コンクリートダムが重機を用いて建設された。最初にバッチャープラントでセメント,水および骨材を混合し最適なコンクリートを調製し,次に,ケーブルクレーンでフレッシュコンクリートをリフト上へ輸送し,最後に,作業員がバイブレーターを用いて,コンクリートを締固める。バイブルドーザは機械化されたコンクリート打設システムの最後に残された機械であった。本論文ではバイブルドーザとその締固め方法がコンクリートダム施工現場においてどのようにして,徐々に改善されてきたかについて説明した。工事記録と技術報告書に基づき,以下の知見が明らかになった。1)電源開発株式会社(EPD)は1957~58年に田子倉ダム施工現場において日本で最初のバイブルドーザを試験した。2)北陸電力株式会社はEPDから学習し,1958~59年に有峰ダム施工現場においてコマツD-30を改造したバイブルドーザの試験を行った。機械及びオペレーションに関する2つの問題が出現した。前者は機械的耐久性を改善することであり,後者は手作業からバイブルドーザへの切替え(またその反対)における時間損失を減少させることであった。バイブルドーザはリフト全量を締固めするのに効果がなかった。3)関西電力株式会社は1958~59年に黒部ダム施工現場で両方の問題を解決した。同社は,米国製TD-9トラクタと日本で作られた特殊なバイブレーター垂直昇降機から成る信頼できるバイブルドーザを開発し,時間損失を半分以上短縮することに成功した。1959年から1962年までの全てのダム建設において5台のバイブルドーザが使用された。4)EPDは1960年に奥只見ダム施工現場で黒部型バイブルドーザーを採用したが,縦継目を設けず,有峰ダムの2倍の長大なコンクリート打設に基づくリフト上では,建設半ばで役立たなくなった。(翻訳著者抄録)