抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,空き家の立地傾向,地域社会の状況,および都市域の居住者意向に基づいて空き家出現の発生について調査した。本研究に選んだ地域は,京都市東山である。本研究の目的は,i) 空き家の立地傾向を明らかにし,生成要因を特定することと,ii)居住地域の懸念についてのアンケートに基づいて,その居住とコミュニティ構造を変化させる意図を分析することである。本研究はまた,地域環境に関するものを含めて,空き家の生成に対する将来の対策を調査することを目的とした。調査方法は,Zenrinによって供給された空き家の建物点群データを用いてGISにより分析した。次に,空き家と地域住民の居住意向に関する意識を把握するためにアンケートを行った。さらに,地域特性と空き家の状況に関して,京都の都市事務所でヒアリング調査を行った。立地傾向として選択した変数は,建物面積,メッシュでの高度差,平均高度,および食料雑貨店,バス停,医師,および小児科医院(セクションを除く)までの距離であった。最初に,著者らの結果は,空き家発生の確率が建物面積が増加するにつれて低下することを示した。これにより,小規模建築物が空き家になり易いことを示した。次に,バス停からの距離の増加は,空き家の発生確率が増加するにつれて上昇した。同じ傾向が小児科医院で見られた。しかし食料品店と医師までの距離に関しては,それが増加するにつれて空き家発生確率が低下した。結果として,食料品店または医師に近い利便性がよりよい地域において,空き家発生確率は高くなった。さらに,平均高度が高い地域では,空き家発生確率が低くなった。そこで,アンケート調査の結果を検討して地域傾向を測定した。西部において,世帯年齢はより若く,多くの育児世帯があり,地域の評価は比較的良好であった。町内会活動への関与が高かったので,活発な地域であると推論した。中央部では,世帯年齢と居住年数が分極化を示し,近隣地域内の交友関係も限定的であると思われた。しかし,地域への愛着と将来の居住意図は高かった。東部では,世帯年齢,家族構造,および居住年数には,比較的様々な構成があった。近隣との関係は安定しており,空き家に対する注意も慎重であった。しかし,町内会または地域イベントへの参加は比較的低く,特に町内会イベントが続くか疑わしい。一般的な傾向として,空き家の割合は西側で高く,バス停,医療機関,食料品店などの近くの中心において高く,利便性が良くない東側では空き家の割合が低かった。さらに,将来の発生の可能性も同じであった。人々の需要が高い地域で空き家の発生が予測された。中央部では,地域への愛着も高いため,住民はその立場を失いたくないので,このことが空き家発生に影響を与えると考えられた。(翻訳著者抄録)