抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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パッションフルーツ成長のための適切な土壌pHは,よく研究されている。しかし,高品質果実を生産するための最適土壌pHは決定されていない。本研究では,果実品質に及ぼす土壌酸性度の影響を測定した。4つのpHレベル(pH3.5,4.5,5.5,および6.5)に調整した土壌を充填したポットにおいて,1年生のパッションフルーツ植物を栽培した。花と果実の数を数え,収穫果実の外観とジュース品質を評価した。栄養成長,生理学的応答,葉ミネラル含量も測定した。pH3.5と6.5の果実よりpH4.5と5.5で,良い果皮色を有し,より重く,より大きかった。味の指標として,滴定酸含量は低く,総可溶性固形分はpH4.5と5.5で高く,好ましい嗜好性を示した。糖/酸比はpH4.5で最高であった。花と果実の数,栄養成長,光合成速度もpH4.5と5.5で高かった。逆に,6.5の中性付近のpHを持つ土壌は,青い果皮色,重度の果皮しわ,および低い糖/酸比を持つ果実をもたらした。pH6.5で栄養成長は阻害され,光合成速度と葉の水ポテンシャルは最低であった。葉/果実比はpH6.5で低かった。光合成産物の不足は果実品質を低下させる可能性がある。pH6.5で,葉の窒素,マンガンおよび亜鉛含有量ならびにクロロフィル含有量(SPAD指標)は最低であった。より高いpH条件下で,これらのミネラル不足が低い光合成速度とSPAD指数をもたらす可能性がある。過剰な酸性土壌(pH3.5)では,果実セットの割合と果実品質は低かったが,栄養成長,光合成速度,および花の数はpH4.5でのそれらと同程度に高かった。したがって,pH4.5周辺の強酸性土壌は,高品質パッションフルーツを生産するために推奨される。(翻訳著者抄録)