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J-GLOBAL ID:201902267284588247   整理番号:19A2291149

地域における非居住者による講を通した活動の展開に関する研究 - 奈良県吉野郡天川村の天河大辨財天社を事例として -

DEVELOPMENT OF ACTIVITIES BY NONRESIDENTS THROUGH “KO” - Case of Tenkawa Daibenzaiten-sha Shrine in Tenkawa-village, Yoshino-gun, Nara-prefecture -
著者 (3件):
資料名:
巻: 84  号: 761  ページ: 1589-1599(J-STAGE)  発行年: 2019年 
JST資料番号: Y0894A  ISSN: 1340-4210  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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出生率の低下と高齢化,人口の減少により,地域イメージを保つこと,特に地方において,外部の主体を取り込みつつ地域の活力を維持していくことが重要であると考えられている。全国でみられる1つの文化的資源は,神社である。多くの神社は,祭祀を通して地方の住民の紐帯を育み保つために長らく貢献してきた。神社とその祭祀を支える主体は,「神職」と「氏子」であるが,過疎化する地域外にいながらも,地域の活力を維持して神社の護持に貢献する「崇敬者」との関係を築き,地域の活気,活力を生むことにつなげていくことが望ましい。本研究は荒廃状態から復興された奈良県の天河大弁財天社に焦点を当て,崇敬者が参拝し年間行事に参列するだけでなく「天河太々神楽講」のような新しい活動を20年間実践してきた神社隆昌の経緯とその要因と想定される神楽講の実態を理解する。これに基づいて,著者らは,崇敬者の活動を通して人的,物的および社会的関係資本の醸成過程を調べた。本研究の目的は,地域における非居住者による講を通した活動の展開を調べることである。神楽講設置の直接的な契機は,社殿建替に伴う神社負債報道であった。それ以前の神社の努力によって,崇敬者の増加や祭典行事の充実,神社の文化的活動展開の基盤となり,それが複合的な要因として講の設置や活動の展開に寄与した。上記の努力には,適切な時期に聖域としての神社境内を常に清浄に保ち,所蔵する宝物や歴史的資源を用いて地域外の芸能者の協力を得て祭典行事斎行の伝統を再生,充実することが含まれている。神楽講は,「地縁」や伝統的には講結集の原理として理解された「同信性」に基づいておらず,気軽に参加できる神社周辺で非日常的な体験(気功,ヨガ,散策,作陶など)を提供する講として実践されてきた点で特徴的である。こうした特性を帯びた講の運営は,興隆期以降にみられる活動の増加につながり,祭典行事手伝いとして人的資本や地域文化活性に貢献する物的資本,災害時には外部支援を地域にもたらす社会関係資本といった諸資本に結実してきたといえる。地域における非居住者の活動を積極的に発展させるための効果的な技術は,神社の由緒を踏まえた宗教文化の充実を図りつつ「講」を通して気軽に参加できる非日常的な体験を提供することである。このことは,神社の魅力を村外から移住してきた世帯が近年複数みられることからからうかがわれるように,当該神社が立地する集落の持続可能性を高める可能性も認められる。(翻訳著者抄録)
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開発,再開発,都市整備 
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