抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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・親による子の保護は親の出生児の適応性を増強させる親の習性とその行動の起源と現在の保持により定義される。
・ハサミムシは母親の保護により特性づけられる。それらは卵の保護,幼虫への給餌,母性愛,および卵胎生などである。この変異は同じ科の中の種間で見られ,または同じ属の中でも見られる。系統比較法はこれらの行動形質の進化を推定するための強力なツールである。Anisolabella marginalis(Dohrn, 1864)は日本ハサミムシの普通種である。本稿では,A.marginalisにおける親による子の保護の数例を記述した。
・新潟市の鳥屋野潟において2017年の6月20日に25の成熟雌を収集した。これらの雌を(12×8×5cm)のポリエチレン容器中に個々に置き,少量の土壌と湿った濾紙を含ませ,シェルターとして用い,室温で薄明かり下に保持した。
・全ての個体にはカメ類食品ペレットを自由に与えた。全容器を毎日チェックし,産卵日,孵化日,および分散した幼虫類を記録した。この実験は産卵後4または5日行い,残余ペレット数を計数した。雌が幼虫の育雛中に食品を運ぶかどうかを確認するために,食品を含むキャップを瓶の底に置いた。未成熟幼虫はキャップに進入できず,食品は雌により食品ペレットから運ばれたものと確認した。この実験は幼虫が分散するまで続けた。巣チャンバー中では,各雌は産卵された卵を置き,産仔が孵化し2齢になるまで留まった。産卵から孵化した幼虫の数は10.6±0.5(平均±SD)であった。雌はリッキングによりそれらの卵を洗浄し,または自身の体により幼虫を覆った。育雛雌をかん子により撹乱したとき,それらは固定したままであり,これらはA.maritimaに見られる防御行動と考えられた。