抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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大分県豊後大野市三重町高屋の尾平山南斜面で,黒瀬川帯シルル・デボン系奥畑層と断層で接する内山層の異地性岩体とされていた石灰岩体(南北幅80m,東西方向に長さ400mで分布)は,岩相と化石内容から,最下部層(砂泥砕屑岩),下部層(石灰泥質石灰岩と古カルスト石灰岩),上部層(生砕石灰岩)に区分することができる。最下部の砕屑岩層と下部石灰岩層は,ウミユリや腕足類殻を含む石灰質泥岩やウミユリ片に富む泥質石灰岩を挟み,整合的に累重していることがわかった。したがって,本石灰岩は砕屑岩を基底に堆積した陸棚起源の石灰岩と考えられる。下部層からは石炭紀ミシシッピアン亜紀(ビゼーアン期~サープコビアン期)のコノドント,有孔虫,サンゴ化石を産出し,上部層からはペンシルバニアン亜紀古世(バシキーリアン期)の化石が産出した。下部層と上部層の境界付近には古カルスト堆積物が挟まれており,このことから,下部層は海水面上に露出した後,上部層が堆積したと考えられ,化石内容からその境界はミシシッピアン/ペンシルバニアン(M/P)境界に相当すると考えられる。石灰岩から産出した化石群は,黒瀬川帯湯鶴葉層や南部北上帯鬼丸層及び長岩層の一部から報告されている化石群と強い類似性を示している。(著者抄録)