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J-GLOBAL ID:201902271230588931   整理番号:19A1668599

ターンオーバー条件下でのヘテロ二量体ABC輸送体のコンホメーション空間

Conformation space of a heterodimeric ABC exporter under turnover conditions
著者 (12件):
資料名:
巻: 571  号: 7766  ページ: 580-583  発行年: 2019年07月25日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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クライオ(極低温)電子顕微鏡法(クライオEM)は作動中の分子機械の状態を捉えることができる。ATP結合カセット(ABC)輸送体は広範囲にわたる基質を細胞質ゾルから運び出す,極めて動的な膜タンパク質であり,そのため適応免疫や多剤耐性のような重要な細胞過程に関与している。このような重要性を持つにもかかわらず,ヌクレオチド結合や加水分解,放出と,ABC輸送体タンパク質のコンホメーション動態との結び付きははほとんど解明されておらず,特にヒトに多く存在するヘテロ二量体や非対称的な構造を持つABC輸送体については解明が進んでいない。今回我々は,このような輸送体の8つの高分解能クライオEM構造を示す。これらの構造は脂質環境内にある非対称型ABC輸送体の完全な機能サイクルを詳しく説明するものである。活発にターンオーバーしている条件下でのクライオEM像の解析から,2つの異なる内向き(IF)コンホメーション(1つは結合したペプチド基質を含む)と,これまで報告されたことがない,二量体化したヌクレオチド結合ドメインと閉じた細胞外ゲートを持つ,加水分解後の非対称な状態が明らかになった。ATP加水分解速度を減少させることで,外向き(OF)に開いたコンホメーションを捕捉することができた(加水分解速度が速ければ,基質の再結合のために不安定な過渡的状態となる)。ATPが結合した加水分解前の状態とバナジン酸が結合して捕捉されたコンホメーションは等価であり,いずれのコンホメーションも,細胞外ゲートが閉じたものと開いたものの両方が共存するOFコンホメーションからなる。これとは対照的に,ターンオーバー実験から得られた加水分解後状態では,カノニカルな部位からのリン酸放出後はATPとADPが非対称的に閉じ込められている様子が示され,ヌクレオチド結合ドメインが徐々に分離して細胞内ゲートのロックが解除される様子が明らかになった。今回の知見は,輸送体のIFコンホメーションへの復帰を引き起こすのはATP加水分解でなく,リン酸の放出であることを示している。活発にターンオーバーが行われている間のコンホメーションの全体像のマッピングは,重要な中間体を捕捉するための変異導入や化学修飾による反応速度調節にも助けられて行われ,我々は非対称的な構造を持つABC輸送体の基質輸送サイクルの基本的な段階を解くことができた。Copyright Nature Japan KK 2019
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