抄録/ポイント:
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統合失調症の特徴は,グルタミン酸作動性の調節解除とGABA作動性神経伝達およびヒト脳の皮質内の主に抑制性介在ニューロンの変性を含む。皮質発達はげっ歯類において広範囲に研究されているが,ヒト皮質の独特で複雑な構造は確立された動物モデルの脳と劇的に異なっている。従って,統合失調症動物モデルの分析は,ヒト皮質脳発生を模倣する適切なヒトin vitroモデルの開発を必要とする種の差異により制限される。統合失調症はDNA変異と関連し,遺伝的因子が疾患の発症,進行及び治療に寄与することを示唆する。著者らは,遺伝子因子の分析のための疾患および患者特異的ニューロン培養の発生を可能にする誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を発生させた。しかしながら,遺伝的因子の機能的特性化は,高度な組織ベースの3D疾患モデルの分析を必要とする。したがって,著者らは人間の皮質発達の側面を模倣するために脳の器官を作り出した。統合失調症患者からの健常ドナーおよび患者特異的iPS細胞からのヒトiPS細胞を,永久神経幹細胞(NSC)に分化させた。転写産物と蛋白質分析は,iPS細胞とNSCの分化状態を確認した。NSCを細胞2D分化モデルで特性化した。NSCは,機能的3D器官を得るために,自由浮遊神経球としてさらに分化した。細胞を転写物と蛋白質分析によって分析した。異なるニューロンサブタイプの分布を可視化するために,器官の凍結切片を適用した。OCT4を含む特異的マーカーの蛋白質と転写物分析およびアルカリ性ホスファターゼの活性は,患者由来iPS細胞における多能性を検証した。SOX2とPAX6のようないくつかのNSCマーカーの分析は,患者特異的iPS細胞からの永続的NSCの安定した発生を示した。患者特異的iPS細胞は,GFAPおよびO4のようなグリア細胞マーカーとして,TUBB3およびSTXのような神経マーカーを含む種々の神経系マーカーを発現する前駆細胞に分化することに成功した。成熟ニューロンの免疫染色および全細胞パッチクランプ記録は,阻害GABA作動性ニューロンを含む異なるニューロンサブタイプの存在を示した。NSCは,3D脳器官の発生にも成功裏に適用された。3D器官分化モデルは,2D単層培養から得られた細胞に類似した神経系譜マーカーのRNAと蛋白質発現を示した。器官の凍結切片で観察されたTBR1のような皮質マーカーの発現パターンは,発達中のヒト皮質を模倣する皮質層の誘導を明らかにした。著者らは,初期のヒト脳発生の側面を模倣する3D脳器官を首尾よく作り出した。これらの培養系は,統合失調症を含む神経発生疾患の分析のための健康で病的なヒト皮質発達の機能的研究を可能にする。Copyright 2019 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.【JST・京大機械翻訳】