抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)は,宇宙航空研究開発機構(JAXA)で開発中の小型月着陸実証機で,三菱電機がシステム開発を担当している。これまでの月着陸例では,着陸地点精度は数kmであったのに対し,SLIMでは将来の科学探査の要求に対応できるように,設定された目標の着陸地点から約100m以内のピンポイント着陸を目指している点が最大の特長である。さらに,着陸地点の大きな石や穴などの障害物を検知し,これらを避けて安全な地点に着陸する。SLIMでは,この要求を実現するために,航法カメラで撮影したクレータ画像から月面に対する相対位置を高精度に推定し,推定結果に基づいて自律的に複数回の軌道修正を行って目標地点に接近する。着陸直前には画像から障害物を検知してこれを避ける位置修正を行い,高精度で安全な着陸を実現する。また,将来の探査機に適用できる小型軽量化技術の開発を行っている。制御機能の統合を進め,制御機能は統合化制御装置と電力制御分配器の2個の機器に受け持たせ,搭載機器の集約を図った。構造設計では,タンクを主構造材として打ち上げと着陸の荷重を受け持たせ,タンクの周辺のパネルに主要機器を配置する構成方式などによって,最終的にドライ質量を約200kg程度に抑えた。現在,基本設計をほぼ完了しており,今後は,熱構造モデルやコンポーネントのエンジニアリングモデルを製作して,試験による成立性の検証を進め,2021年度の打ち上げを目指している。(著者抄録)