抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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北海道の道央・道東地域の積雪分布の年次変動と大雪時の積雪特性を把握することを目的に,毎年同時期に同じ場所での調査を実施した.本研究は2014年~2018年の5冬期に北海道の32地点で実施した広域積雪調査結果を取りまとめ,積雪特性と気象要素との関係を分析した.各冬期の気象は,積雪の高さや層位,雪質に現れていた.2014年と2018年は冬型の気圧配置が続き,道央地域が大雪でしまり雪やざらめ雪が主体に,道東地域は少雪で下層にしもざらめ雪が発達していた.2015年はオホーツク海側と根釧台地で大雪となった.2016年と2017年は少雪で,特に2017年は全観測地で積雪の高さが100cm未満だった.積雪の高さと積雪水量の関係は,既往研究とよく一致し,両者の直線関係から導出した全層平均密度には道央と道東の地域差が現れていた.石坂(2008)による積雪地域の気候区分図の適中率は72%で,本研究はこの区分を概ね支持する結果になった.現地観測データを積雪モデルの精度向上につなげる目的で,複数の気象要素を説明変数とし重回帰分析による雪質推定を行った.その結果,各観測地の雪質を60%以上説明できることがわかった.得られた経験式は積雪モデルの改善に有効である.(著者抄録)