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J-GLOBAL ID:201902279207273521   整理番号:19A2291230

寒冷地の高齢者施設における室内生活環境の年間特性 フィンランド・エスポー及び北海道・札幌における室内温熱空気環境の実態

ANNUAL CHARACTERISTICS OF INDOOR LIVING ENVIRONMENT IN FACILITIES FOR THE ELDERLY IN COLD REGIONS State of indoor thermal and air environment at Espoo in Finland and Sapporo in Hokkaido
著者 (12件):
資料名:
巻: 84  号: 761  ページ: 699-708(J-STAGE)  発行年: 2019年 
JST資料番号: L4761A  ISSN: 1348-0685  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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本研究の目的は寒冷地の高齢者施設における室内環境の年間特性を検証することである。フィンランドのエスポーの高齢者に対する4施設および北海道の札幌の高齢者に対する4施設の室内および共用空間における温度,湿度およびCO2濃度について年間を通して測定した。最初に,屋内環境の日特性と年間特性を分析した。第二に,室内相対湿度を40RH%(SEHMB:建物の環境および健康管理の標準)に適合させるために,必要な加湿速度を長期測定の結果を用いて計算した。二酸化炭素濃度が測定濃度と同じ条件で必要な加湿速度と800ppmに制御された濃度条件での速度を計算し,フィンランドの施設と北海道の施設の結果を比較した。第3に,換気と加湿のためのエネルギー負荷とインフルエンザ濃度は,換気に関するこれらの条件によって計算した。結果は以下のことを示した。1.冬には,フィンランドの施設の屋外温度は,北海道の施設のものとはそれほど異なっていない。しかし,温暖な季節や寒い季節では,屋外温度と絶対湿度は,フィンランドより北海道の方が高かった。2.フィンランドの施設と北海道の施設の両方の床暖房システムにより,冬の温度は十分に制御されている。3.北海道の施設で携帯用加湿器を使用した場合でも,湿度は標準の40RH%より低い。室内湿度はフィンランドの施設で低く,室内絶対湿度は,加湿器が全く使用されていないフィンランドの施設の屋外と同じである。4.夏季には,冷房システムを共用空間に使用する北海道の施設で絶対湿度が低下する。しかし,フィンランド施設では絶対湿度は低下しなかった。5.二酸化炭素の濃度は全ての施設でSEHMB1000ppmより十分低かった。これらの濃度は,特に北海道の施設では,窓を開けて換気ファンを操作し,臭いやインフルエンザ感染のリスクを制御するために,居住者の行動により変化する。6.最終施設では換気率が高く維持されているので,インフルエンザ感染のリスクは,北海道の施設よりもフィンランドの施設で低い。7.熱回収システムは最終施設で使用されているので,加湿と換気のエネルギー負荷は最終施設でより低く保たれている。これらの結果は,エネルギー負荷とインフルエンザ感染リスクを考慮して,換気と加湿の両方を制御する必要があることを示した。(翻訳著者抄録)
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分類 (1件):
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建築環境一般 
引用文献 (20件):
  • 1) Ministry of health, labour and welfare : Act on environmental health in buildings, March 20th, 2015 (in Japanese) 厚生労働省 “建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)”, 2015.3.20
  • 2) Nishimura, N. et al. : A Study of a Method for Maintaining a Sanitary Environment at Welfare Facilities for the Aged, Part 1-Investigation and Results based on Legal Measurement, Transactions of the Society of Heating, Air-conditioning and Sanitary Engineers of Japan, 179, pp. 27-34, 2012.02. (In Japanese) 西村直哉, 鍵尚樹, 柳宇, 池田耕一, 吉野博, 斉藤秀樹, 斉藤敬子, 鎌倉良太, 小畑美智夫 : 老人福祉施設における室内環境の衛生管理に関する研究, 第1報-建築物衛生法に基づく実態調査とその結果, 空気調和衛生工学論文集, 179, pp. 27-34, 2012.02.
  • 3) Nishimura, N. et al. : A Study on the Way of Maintenance of Sanitary Environment in Welfare Facilities for the Elderly, Part 2 Results of Continuous Measurements and VOC Measurements, Transactions of the Society of Heating, Air-conditioning and Sanitary Engineers of Japan, 185, pp. 11-18, 2012.08. (In Japanese) 西村直哉, 鍵尚樹, 柳宇, 池田耕一, 吉野博, 斉藤秀樹, 斉藤敬子, 鎌倉良太, 小畑美智夫 : 老人福祉施設における室内環境の衛生管理に関する研究, 第2報-連続測定の結果およびVOC類の測定結果, 空気調和衛生工学論文集, 185, pp. 11-18, 2012.08.
  • 4) Miyano, N., Aoki, T., Sutoh, C., Mizutani, A., Miyano, A. : tokubetu yougo roujin ho-mu nado wo taisyo tosita situnai onn-situdo kankyo no jitaityousa. dai6hou (Survey of indoor temperature and humidity environment for special nursing homes, Part6), Vol. 50, No. 3, s76, 2013.10 (in Japanese) 宮野則彦, 青木哲, 須藤千春, 水谷章夫, 宮野明彦 : 特別養護老人ホーム等を対象とした室内温湿度環境の実態調査 第6報, 日本生気象学会雑誌, 第50巻, 第3号, s76, 2013.10
  • 5) Igarashi, Y., Takahashi, K. : On the Improvement of the Thermal Environment in Winter at Nursing Homes with Social Service, Part1 A Survey at Nursing Homes with Humidiater, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, D-1, pp. 997-998, 1998.7 (in Japanese) 五十嵐由利子, 高橋啓子 : 特別養護老人ホームにおける冬季の湿度環境改善に関する研究, その1 加湿設備のある施設における実測調査, 日本建築学会大会学術講演梗概集, D-1, pp. 997-998, 1998.7
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