抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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人口減少,少子高齢化,財政逼迫,インフラ老朽化等が地域の持続可能性を脅かす大きな課題となって久しい。地域が持続可能であるためには,基幹産業による生産や移出の優位性を創出する伝統的なアプローチとともに,消費面の多様性やアメニティにより,人的資本や知識資本の集積を促進し,資本や人口の流入や循環を増加させるアプローチの重要性が増している。地域間の人口移動は土地のレント差によって生じるが,レントを生じさせる要因は,地域の資源や規模の経済性などの生産面と,アメニティや環境に関する消費面とがある。その多くはキャピタリゼーション仮説に基づいて資本化された地域の資本ストックとしてとらえられるが,地域レベルのストックを定量的に評価するための理論的基礎およびデータは不足している。本稿は,本稿では地域レベルで資本ストックを測るための理論的展開をレビューし,CWの適用可能性を地域レベルで検討するとともに,都市・地域経済学の知見との整合性を検討することを目的とする.地域の持続可能性を,2つの基本的枠組みであるCWと単一中心都市モデルをレビューして統合することにより,検討の理論的基礎を整理した.主な結論は次の3点である.すなわち,1)地域の資本に関する地域の持続可能性の基準を提示し,2)データとして,UEAレベルの資本データ,資本が人口変化にもたらす効果,資本と人口規模のシャドウ・プライスが必要であることを示した.3)実証方法として,1)人口規模のシャドウ・プライスは,人口変化に対する居住費用の変化から賃金変化を調整したもの,2)地域資本のシャドウ・プライスは,居住費用に対する各地域資本の限界効果,となることを整理した.(著者抄録)