抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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カワネズミChimarrogale platycephalaは東京都西多摩郡では準絶滅危惧に指定され,奥多摩湖に注ぐサイグチ沢では1990年代以降逸話的な生息報告しかされてこなかった。本研究では餌を用いた誘因トラップと赤外線センサーカメラを用いサイグチ沢におけるカワネズミの生息確認をおこない,沢に出現する動物種ごとのRAIの月ごとの変動から,カワネズミの出現に対する他動物の影響を検討した。2013年9~11月に沢の下流域で予備調査を行ったが,カワネズミを発見できなかった。そこで2016年6~11月に沢の中流域において本調査を実施し,6月に静止画・動画としてカワネズミを撮影した。また同時期に下流域でも目撃情報を得た。タヌキ,テンまたはハクビシンが出現した月にはカワネズミは出現しなかった。サイグチ沢中流域ではカワネズミは1990年代から現在まで連続して生息してきたことが示唆された。また今後の追加調査が必要ではあるものの,潜在的捕食者の存在がカワネズミの出現に負の影響を与えている可能性が示唆された。(著者抄録)