文献

J-GLOBAL ID：201902281844614613   整理番号：19A2713031

日本学生支援機構貸与型奨学金が大学生の収入・支出に与える影響 プロペンシティースコアマッチングによる検証

The Effects of the Japan Student Services Organization (JASSO) Scholarship Loans on University Students’ Incomes and Expenses Testing by Propensity Score Matching

著者 (3件)： Wu Shuya (東北大学大学院教育学研究科) ,  島一則 (東北大学大学院教育学研究科) ,  西村君平 (弘前大学教育推進機構)
資料名： 生活経済学研究(Web)  (Journal of Household Economics (Web))
巻： 49  ページ： 57-74(J-STAGE)  発行年： 2019年 
JST資料番号： U0963A  ISSN： 2424-1288  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 近年日本では奨学金政策が社会からの耳目を集めている。しかし,奨学金が学生生活に全くプラスの効果も与えず,学生を借金苦に追い込むだけの「負の政策」なのか,その検討はまだ十分になされていない。また,奨学金の効果検証に関わる先行研究は,収入支出の一部費目のみを取り上げたものが多くなり,奨学金政策の影響の実態を反映したものとは言えない。そこで本稿では,日本学生支援機構の奨学金が学生の収入・支出に与える影響について,プロペンシティースコアマッチングを用いた形で,学生の収入・支出総額や各費目を総合的な観点から奨学金の効果を検討する。これにより,奨学金の受給者と非受給者の持っている属性-例えば親の年間収入,住居形態等を統制し,奨学金が学生の収入・支出に与える因果的な効果を検証する。検証の結果,奨学金受給によって家庭給付を抑制し,収入・支出総額が増加し,その分,食費等への支出が可能となるし,娯楽嗜好費に用いられていないし,修学費は相対的多く確保していることを示す知見が含まれる。こうした知見は,奨学金政策への懐疑的な見解への反証となるとともに,奨学金の実態に即した今後の政策的な議論を可能にするものである。(著者抄録)

シソーラス用語： 学校教育 ,  大学 ,  *大学生 ,  *基金 ,  生活 ,  *収支 ,  *マッチング ,  因果律 ,  回帰モデル ,  因子分析 ,  推定量 ,  統計的推定 ,  経済学 ,  経済効果 ,  *因果推論 ,  生活経済学
準シソーラス用語： ロジスティック回帰モデル ,  影響分析 ,  *学生ローン ,  学生支援 ,  *傾向スコアマッチング ,  高等教育政策 ,  *奨学金

著者キーワード (6件)： 日本学生支援機構奨学金 ,  プロペンシティースコアマッチング ,  学生資金援助 ,  Japan Student Services Organization scholarship loans ,  propensity score ,  student financial aid

分類 (2件)： 科学技術教育  (AA04000C) ,  産業経済  (KA02000Y)

引用文献 (33件)：

• B. Efron and R. Tibshirani(1986)'Bootstrap Methods for Standard Errors, Confidence Intervals, and Other Measures of Statistical Accuracy',Statist. Sci.,Vol. 1, Issue 1, pp. 54-75
• Brand, Jennie E. and Halaby, Charles N. (2006). “Regression and Matching Estimates of the Effects of Elite College Attendance on Education and Career Achievement,” Social Science Research, Vol.35, Issue 3, pp.749-770
• Caliendo, M. and Kopeinig, S. (2008) “Some Practical Guidance for the Implementation of Propensity Score Matching,” Journal of Economic Surveys, Vol. 22, No.1, pp.31-72
• Efron, B. and Tibshirani, R. (1986) “Bootstrap Methods for Standard Errors, Confidence Intervals, and Other Measures of Statistical Accuracy,” Statist. Sci., Vol.1, No. 1, pp.54-75
• Morgan, Stephen L. and Christopher Winship(2007)Counterfactuals and Causal Analysis: Methods and Principles for Social Research, Cambridge: Harvard University Press.

タイトルに関連する用語 (4件)： 貸与 ,  大学生 ,  収入 ,  検証