抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現代の土地計画は科学と機能の両方のアプローチを必要とする。植生の機能の一つとして,ヒートアイランド問題を解決するための緑地の温度緩和機能がある。したがって,新しい開発において,計画者はそこで効果的な緑化を考慮するべきである。温度緩和による開放空間を計画する場合には,定量的な緑地空間の出力指標とそれらの温度緩和効果としての結果指標に基づいて解析することが重要である。本研究は,将来の開発における土地計画に対する対応の容易さの観点から,土地被覆率による亜熱帯気候条件における都市熱環境緩和の影響を推定することを目的とした。著者らは,沖縄県,那覇市における那覇新都市地域において研究した。那覇新都市地域は,米国基地から土地が返還され,2003年に終わった土地再調整プロジェクトによって開発された。LRプロジェクト面積は214haであった。しかし,測定ツールの不足と人手の制限のために,著者らの事例研究敷地として,5508m2の面積を持つ,土地の一部を選択しなければならなかった。事例研究敷地は地形条件においてほとんど平坦で,ブロック公園,近隣公園,総合公園,および緑化住宅地域を持ち,現代の都市計画理論において計画されている。この敷地は沖縄における完全に新しい開発の例であり,近隣計画理論において計画されているので,この敷地は事例研究敷地として適していた。時間ごとの温度測定は,河川の堤防,公園,緑の街路,および住宅地区のような異なる環境にある39の地点で行われた。測定量は2846時間であった。著者らは,測定気温と沖縄気象観測所の発表気温の有意差を設定変数とし,敷地の土地被覆率を説明変数として設定した。土地被覆率は,グーグルの空中写真によって推定され,樹木,草,水域,空地,建物,および舗装地に分割された。解析方法は次の通りである。最初に,亜熱帯気候条件における各温度範囲,時間帯,メッシュ格子サイズに対する,温度緩和の優れた効果を示す土地被覆率を調べた。(3節)次に,土地被覆条件との関係から温度分布の影響を定量的に解析した。(4節)そして,本論では,緑地空間計画理論としての空地の温度緩和の効果を考察した。(6節)結果は次の通りである。1)季節,時間帯,メッシュ格子サイズなどの因子が,温度緩和と土地被覆率の間の関係に影響を及ぼすことを確認した。2)単一回帰分析結果から,較正されたR2はメッシュ格子サイズが10mと90mで高くなることが確認された。この結果は,自然土地被覆が地点と広域の両方における温度緩和の効果を持つことを意味する。3)主成分分析により,多重相関を避けた多変量回帰分析結果を得ることができた。4)対象地域の推定温度分布から,緑被率が20%以上の地点が低温域を形成することを確認した。実際の緑化計画によるこれらの結果を考慮して,10mメッシュ効果は住宅規模の計画において使用することができて,90mメッシュ効果は特別地区計画における緑化規制として採用することができた。本研究は,多重要素解析や,広く広がった緑化土地利用における次のメッシュへの連続性考慮のような将来の課題を残している。(翻訳著者抄録)